学習漫画 マリア・フォン・トラップ

ハイ、お待たせしました!

表紙の絵ばかりたいがい見飽きたところで、ちょっくら中身のご紹介にまいりたいと思います。

 

といっても、印刷されているのものをここに広げてもなんなので、

メイキング的に舞台裏をお見せしようと

(*^0^*)

 

しばしお付き合い下さいませ~♪

表紙の下絵です。このときはまだお花を髪に飾ることは考えてませんでしたね。

お顔に色が入ってゆきます。

一色原稿に命がふき込まれていく、みたいに、担当のYさんがおっしゃって下さってじ~~~ん・・・(T▽T)

お花をワンポイントに。

イメージは、チロルの高山植物・アルペンローズですが、実物はちょっと小さいので、大きめに描きました。

昔、オーストリアを放浪したときに泊まったチロルの民宿で、おばあさんが作ってくれたアルペンローズ・ジャム。この花びらで作ります。

翌日、現物を確認したくて山へあがりました。

みっけ!!(*^0^*)こういうのが一人旅の醍醐味♪(話がそれました)

 

実はこんなふうに結構下まで絵があります。

そして、マリアの人生の指針である神様への信仰、十字架のペンダントが残念ながら表には出ませんでしたが、背表紙にはちょこっと見えてます♪

裏表紙の女の子は子供時代のマリア。すでに勝気なまゆげ(^-^;)

下絵です。                色が入りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

総扉。肌と髪の途中まで。

まんなかで抱っこされてる赤ちゃんが、末っ子のヨハネスさん。

現在73歳、お元気でアメリカのトラップ・ファミリーロッジの経営に携わってらっしゃいます。

日本も大好きで、たびたび訪れてらっしゃるそうですよ。

ヨハネスさんにも一冊、この本が贈られました。(^0^)

(なんか不思議~~~うれしい~~~(*^-^*)

ご自分が描かれていること、どんな風にお感じになるのでしょうか。

ぞくぞくするほど楽しい色塗りです。

ドクター・マーチンはとにかく発色が素晴らしい!

 

がしかし、乾いたら、こんなはずでは・・・

とがっかりすることも多く・・・

 

まだまだクセがつかみきれていません。

もう何十年も使ってるのに~~

久しぶりのカラーインク、発色のよさが嬉しくて

こってり塗ってたら濃い過ぎた(--;)

 

水をつけては筆で吸い取り、色を薄めていきつつ、模様も手描きでいれてみる。

逆に質感が出ていい感じになりました。(あくまで本人の主観ですが(^-^;)

パッと見汚いですが、こうなってはじめてニュアンスカラーが作れるのです。(あくまで本人談)

顔色だけ入ったページ。

絵の上にカーソルを持っていくと説明が出ます。

そのままクリックすると絵が大きくなります。

主線と同じ耐水性の純黒で塗ろうかと思ったけど、やっぱりドクターマーチンにした修道服の黒。やわらかめになりました。

カラー数ページ。(クリックで拡大)

人が多い・・・

 

とにかく多い・・・

 

ところでこの人たちは本当に筋金入りのアウトドア派でした。

学習漫画は、書き文字まで漢字にはルビが必要とは知りませんでした。

なのでできるだけひらがなで。

学漫でここまで書き文字の多い作品はこれまでなかったらしく、

編集さんも不意打ちをくらったようでした。

しかし、ハギーワ漫画に書き文字は不可欠なのです・・・(^-^;)

次のページは一色なので、

このページでマリアに投影された光の色で壮絶な夕焼けの美しさを表現してみました。

かわいいチューが描けたかな?

マルティナはがんこちゃんのイメージで描きました。

でも、のちに生まれたエレオノーレの方がもっとがんこちゃんでした。

 

学校で切り紙を習ったら、おうちに帰って毛布を切ってみる。

毛布なんか切っちゃいけません!!としかられると、カーテンを切ってみる。

あわてたマリア、「じ、自分のものでもないものを勝手に切っちゃいけません!!」

そしたらエレオノーレ、自分の髪の毛をパツッと切り、

「自分のだからいいでしょ」

 

こんな感じで一事が万事、ニューヨークに渡ってからのマリアたちをなにかと困らせてくれました。

 

このあたりでひとつ漫画かけるくらい、おもしろネタが満載です。

ああ、楽し。風景画。

20年後にまさか漫画に描くことになろうとは夢にも思わなかったノンベルク修道院(左)。そうとは知らず、玄関先まで訪ねていってました。

気合を入れて描いた一色ページ。

今回どうしても見開きでがっつり描きたかった、ザルツブルクの街並み。

本では、ナレーションと、マリアのコマがはいってますが、

風景だけ一面に描いて、あとから別描きしたものをかぶせていただくようお願いしました。

まず、シャドーを入れていきました。

じわじわ塗り進めていきます。


完成。色塗りだけで二日かかりました。

参考文献の数々。こういった書籍からライターさんがシナリオを起こし、それを私が漫画にする、という流れです。

 

マリア自身が書いた本が翻訳されたものなので、とても興味深く面白い!!

これだけ波乱万丈な人生です。128pなんかにおさまろうはずもありません。

 

漫画には描ききれなかった非常に興味深いたくさんのサイドストーリーや、

小学生には不向きなエピソード、たとえばマリアの内面をぐいぐい描写したシーンなども、たくさんたくさんつまっています。

興味のある方はぜひぜひ原作本を手にとって見てくださいね。

 

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こちらは、貴重で素敵な写真満載なフォトブック。

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どちらも翻訳は谷口由美子先生です。


大変だったことのひとつに、年齢考証があります。

この事件が起こった時、マリアは何歳で、ルーぺルトが・・・アガーテが・・・

マルティナが・・・と、まあこんがらがるこんがらがる。(^-^;)

 

ページ順に頭から、ではなく、バラバラに描いていくので、そりゃもう・・・!

私のネームは、絵が入らないので編集さん泣かせ。(^-^;)今回無理やり入れてこの程度。

 

オマケ。今回たくさん手伝ってくれたリアルがんこちゃん。

お疲れ様でした♪(*^0^*)

この本は、図書館や、学校の図書室にもOKなものなので、よかったらぜひリクエストしておいてもらってくださいね~~(^ー^)

おせっかいながら・・・・

コメントをお書きください

コメント: 17
  • #1

    ふぁいぶ (水曜日, 14 3月 2012 10:38)

    漫画の主人公が漫画を描いているとは・・・がんこちゃんすご〜い!!

  • #2

    萩岩 睦美 (水曜日, 14 3月 2012 10:44)

    お、コメント欄つけるの忘れてたんでさっき設置したところ、さっそくどうも!(*^0^*)

    出来上がった本を一読してリアルがんこがひとこと。
    「うん、おかあさん、私の素晴らしいがんばりをひきたてる仕事をしてくれてありがとう」

  • #3

    きよ (水曜日, 14 3月 2012 11:24)

    あの人気漫画家・萩岩睦美センセを
    引き立て役にしてしまうとは…!
    さすががんこちゃんですね!ww

  • #4

    うーです (水曜日, 14 3月 2012 13:15)

    じーん
    本ももちろんなんですが、やっぱり原稿が素敵。
    色を入れると、どんどんいきいきしてきますね。
    愛を感じるなぁ。
    リアルがんこちゃん、ナイスです!!花マル~~~~(>▽<)ノ

    映画が先だったんですが、原作本も読んでみたくなりました。

  • #5

    赤毛のアン (水曜日, 14 3月 2012 16:16)

    絵が描けるって素晴らしいです。萩岩先生はいろいろできることが多いからすごいです。私は耳がいいのと、肺活量はあるので、歌の練習を
    マリアたちみたいにしたいな。絵って頭の中で想像したものでどのくらい下書きできるんですか?全部お手本が必要ですか?わからないことだらけなので教えてください。

  • #6

    シンジ (水曜日, 14 3月 2012 22:31)

    どうやったらこんなに美しい色が出せるんでしょう!
    本当に心を奪われてしまいそうです。

    うちの相方は、たまに仕事でイラストを描きますが、
    ドクターマーチンを使わせると、技術がついていかず、
    どうしようもなく滲ませてしまいます。(-_-;)
    (ふだんはホルベインのカラーインクを使用してます。)

    実は、今回の先生の作品、まだ拝見しておりません。
    週末に本屋さんへ行き、実際に手にとって感動してこようと思います。(^-^)

  • #7

    うーです (木曜日, 22 3月 2012 18:56)

    先生、お疲れさまです。
    昨日、図書館で、トラップ一家の本を借りてきました。
    あったらいいなぁ~っと思って行ったら、まさしく同じものが!
    2冊借りてきました。
    じっくり楽しみます^^

  • #8

    赤毛のアン (火曜日, 27 3月 2012 16:02)

    無事帰国されたそうで安心しました。ハノイのこと紹介まってます。

  • #9

    赤毛のアン (月曜日, 02 4月 2012 19:30)

     マリアの本で絵もとてもいいけれど、文章が前向きな何気ないそれでいて心強いメッセージになっていてじんとします。萩岩先生ってそんなすばらしい方なんですね。

  • #10

    萩岩 睦美 (月曜日, 02 4月 2012 20:36)

    きよさん、そうなのです。ヤツはただものではないのです。

    うーですさん、どうもどうも!本の紙はアイボリーなので、原画とはまた少し違っていますが・・・目に優しい心遣いなのだそうです。

    シンジさん、私だっていまだになかなか思うようにはいきませんよ~
    特にカラーインクは乾いたら違った感じの色になってたり。(TーT)
    ドクターマーチンは、隣り合った色を塗るとき、順番がとても大事ですね。
    薄い方、明るい方、色分子?の少ない方、を先に塗るのが鉄則です。
    そんなこと考えながら塗るので時間かかります。

    赤毛のアンさん、きっと何度も読んでくださってるのですね。いつもありがとうございます。

  • #11

    赤毛のアン (火曜日, 03 4月 2012 12:12)

     お返事ありがとうございます。本だけでなく漫画も心に残るものはたくさんあります。私はデジタル人間ではないので電子では文書をまだ読んでいません。萩岩先生の作品はヒューマニズムが感じられて印象深いです。今後のご活躍を願っています。

  • #12

    すう (金曜日, 20 4月 2012 00:52)

    小学校時代に銀曜日のおとぎばなしとかりぼんで読んでました!
    そして今、小学校の図書室で司書をしています。
    今年度の予算が入ったら是非図書室に入れたいと思います・・・!
    今から楽しみです!

  • #13

    赤毛のアン (火曜日, 01 5月 2012 17:37)

    ネットで13才までに見たい名作映画ベスト3の1位にサウンド・オブ・ミュージュックが選ばれたとありました。私はまだ観ていないので機会をつくって観たいです。

  • #14

    tapiri_yume (火曜日, 22 1月 2013 19:07)

    ツイッターから飛んで来ました〜 昔から先生の 色(カラー)が大好きです。 まさか工程を拝見出来る日が来るなんて感激!! お疲れさまでした〜! これからも引き続き漫画描き頑張って下さ〜い♬

  • #15

    萩岩 睦美 (火曜日, 22 1月 2013 19:49)

    ありがとうございます~~
    もうひとつ最近手がけた企業PR漫画の原稿でもこういうページ作りたいと思ってるのですが。。。
    そのうちに。。。

  • #16

    アイコノ (土曜日, 06 7月 2013 07:56)

    ザルツブルグの街並みが素晴らしいです!

    昔から、先生は人物や小物はもちろん建物や背景も素敵に描き込まれているなぁとうっとりしてました。

    日の丸弁当まで可愛いなんて・・・先生の手はどうなってるんだ・・・

  • #17

    あつっん (木曜日, 04 12月 2014 02:11)

    萩岩先生の、Amazonのレビューにわらいました!
    プーイだけ持ってなくて探してるんですが萩岩先生の作品、とくに魔法の砂糖菓子が大好きなので、全集でてほしいです。

    萩岩先生、ながーーく作家活動してくださっててうれしいです。
    これからも、お元気で、ながーーーく作品を送り出してくださいね。

    リアルがんこちゃん大きくなっててビックリ!